抗がん剤は、がんを治すためには欠かせない薬剤です。抗がん剤治療に臨む際には、副作用による脱毛症状を見逃すことはできません。
脱毛症状は人によって異なるものの、いざ髪の毛が抜けるとどうしても平静を保てなくなり、塞ぎこんでしまう方も少なくありません。
この先、抗がん剤治療の予定がある方は、脱毛に関する知識をきちんと備え、正しい対策をとれるようにしておきましょう。
抗がん剤を使うとどうして毛が抜けてしまうのか
がん細胞は、人間の体内で分裂や増殖を繰り返します。
抗がん剤は、この細胞にダメージを与えるために働きますが、このとき、がん細胞だけでなく正常な細胞に対してもダメージを与えてしまいます。
脱毛が起きるのは、まさにこの仕組みが原因となっています。抗がん剤が毛の細胞にダメージを与えることで、脱毛が始まるのです。
ただし、脱毛症状には個人差があり、抗がん剤の種類や使用期間、使用量などによって現れ方は異なります。
仮に、脱毛の症状が現れない場合でも、抗がん剤の効果が効いていないというわけではないので、あらかじめ把握しておきましょう。
脱毛への対策は抗がん剤治療が始まる前に
脱毛対策は、抗がん剤治療が始まる前に済ませることが大切です。
いざ脱毛が始まると、気持ちが沈むばかりか、体調の変化によって自由が利きづらくなる傾向にあるため、あらかじめ毛髪をカバーするための医療向けウィッグや帽子、ナイトキャップなどを用意して
おくようにしましょう。
また、脱毛が始まると衣類に髪の毛が付いたり、枕の周りにも髪の毛が落ちたりします。
こうした状況は、精神的なダメージに繋がる可能性があるため、目立たないよう色の濃い服を着用し、就寝時はナイトキャップやディスポヘアキャップを使用するなど、身の回りの対策を考えておくことも大切です。
髪の毛以外の脱毛への対策も考えておこう
抗がん剤の効果は全身に及ぶため、脱毛が起こるのは髪の毛だけではありません。
手足を始めとした全身の体毛が抜けることがあります。そのため、脱毛対策は髪の毛だけでなく、全身への対処も考えておく必要があります。
特に、眉毛やまつげといった顔周辺に関しては周囲の人から見られることが多いため、対策をきちんと練ると良いでしょう。
まず眉毛やまつげは、脱毛が始まると目にゴミが入りやすくなるという問題が生じるため、ファッショングラスの着用をおすすめします。
ゴミの侵入を防げるだけでなく、症状も目立ちづらくなるので一石二鳥です。
また、脱毛しても影響が少なそうに思える鼻毛ですが、ゴミが体に入らないようにするフィルターの役目を果たしており、鼻毛がなければ鼻の中がとても乾燥してしまいます。
そのため、マスクの着用で保護するようにしてください。
基本的に、抗がん剤による脱毛は一時的なものであり、抗がん剤治療が終了してしばらくすれば再び生えてくるのが一般的です。
脱毛した際には、普段はできないおしゃれを楽しむチャンスだと捉え、ウィッグやメガネ、スカーフなどのアイテムを着用してみると良いかもしれません。
近年は、こうしたアイテムが実に多種多様に揃えられているので、気になる方は「抗がん剤治療中に楽しむことができるおしゃれグッズ」をチェックしてみてください。