ある日、突然発症する髪の毛に関する深刻な悩み…それが円形脱毛症です。
円形脱毛症の原因としてはさまざまなものが考えられており、そのいずれかの要因によって発症するケースもあれば、複合的にいくつかの要因が重なって発症するケースもあります。
ここでは、円形脱毛症の原因やメカニズムについて紹介していきます。
円形脱毛症の原因のひとつ?自己免疫疾患とは
実は、円形脱毛症の原因は、いまだ完全に解明されているわけではありません。
その上で、現在原因のひとつとされているのが、「自己免疫疾患」です。
自己免疫疾患とは、人間の体内に備わっている機能のひとつである、免疫系機能に異常をきたしてしまう疾患です。
正常な免疫系機能は、外部から侵入した細菌やウイルスといった異物を排除し、体を守ってくれます。
しかし、自己免疫疾患にかかってしまうことでこの機能が正常に働かなくなり、自身の体の一部を異物だと勘違いし、攻撃してしまうということが起こるのです。
これが、円形脱毛症の原因に深く関係してくると言われています。
なぜ自己免疫疾患によって円形脱毛症が起こるのか
では、なぜ自己免疫疾患が生じると、円形脱毛症を引き起こしてしまうのでしょうか。
上述した通り、自己免疫疾患は、体内の免疫系機能が体の組織を誤って攻撃してしまうという病気です。
この攻撃が、発毛についての重要な役割を担う毛根の細胞に及ぶことで、円形脱毛症は起こると考えられています。
毛根の細胞は、髪の毛と地肌の接続部分、いわゆる毛根の部分に位置するので、破壊されることで毛髪が抜け落ちてしまうのです。
ただし、毛髪を作り出す元となる細胞自体は破壊されていないため、時間が経てば再び髪の毛が生えてくるのが円形脱毛症の特徴。
老化による薄毛のように、一度発症したら改善が難しいというものではないことが多いです。
精神的ストレスによって円形脱毛症が起こる?
以前から、円形脱毛症には、精神的なストレスが影響していると言われてきました。
一般的にもこの認識は広まっており、「脱毛=ストレス」と関連付ける方も少なくありません。
しかし、この理論に全て当てはまる訳ではなく、専門家の間では直接の原因という認識はされていない見解もあります。
ストレスは、円形脱毛症のあくまでも要因のひとつとしては捉えられているものの、確固たる原因であることは証明されていない可能性がある事は覚えておきましょう。
このほかにも、アトピー性皮膚炎の方は円形脱毛症を併発しやすい、自己免疫疾患の原因には遺伝的な要因も考えられるなど、さまざまな説があります。
円形脱毛症でお悩みの方は、こういった説に躍らされるのではなく、ここまで説明してきた内容を参考に、自身の症状と原因についての理解を深めてみてください。
円形脱毛症について正しく知ることで、適切な対処法も取りやすくなるでしょう。