抗がん剤治療の副作用として多くの女性を悩ませる「脱毛」。
さまざまなヘアケア・頭皮ケアを試したくなるかもしれませんが、できるケアが限られていることをご存知ですか。
今回は、抗がん剤治療中の代表的な頭皮ケアである「洗髪(シャンプー)」について、シャンプーの選び方から正しい髪の毛の洗い方までを解説します。
治療を受けている方は慎重にシャンプー選びをすることが必要
抗がん剤治療中は、抗がん剤の影響が強まる恐れがあるため、頭皮マッサージはNG。また、髪の毛のない状態では効果が見込めないため、育毛剤も使用しないようにします。
抗がん剤治療中に最も大切なヘアケアは、頭皮を清潔に保つこと、つまり「洗髪(シャンプー)」なのです。
●抗がん剤治療を受けると頭皮の質が変わる
抗がん剤治療を受けると頭皮が敏感になり、痛みやかゆみを感じるケースがあります。
そのため、頭皮への刺激となるパーマやカラーリングなどは、抗がん剤治療が終了して頭皮が回復するまで我慢してください。
また、敏感な頭皮の刺激とならないよう、抗がん剤治療時に使用するシャンプーには「低刺激のもの」を選びます。
加えて、抗がん剤治療を受けると、皮脂分泌が少なくなることで頭皮が乾燥しやすくなります。そのため、頭皮をしっかり保湿することも重要となります。
●抗がん剤治療時の上手なシャンプーの選び方
高級アルコール系シャンプーは洗浄力が強いぶん、頭皮への刺激も強いです。そのため、抗がん剤治療時には、アミノ酸系、石けん系などのシャンプーをチョイスします。
さらに着色料、パラベン、鉱物油、サルフェートなどの添加物が入ったシャンプーも、頭皮に不要な刺激を与える恐れがあるため避けます。基本的に「無添加」と表示されたシャンプーを使用すれば安心ですが、成分表示を確認しておくとさらに安心です。
また、液体ではなく泡で出てくるシャンプーは、頭皮に負担をかけず洗うことができる点でおすすめです。
抗がん剤治療時では髪の毛をどのように洗うと効果的?
抗がん剤治療時に最適なシャンプーを選んだら、髪の毛の洗い方にも注意しましょう。抗がん剤治療中は頭皮が敏感になっているため、細心の注意を払って洗髪する必要があります。
また、洗いっぱなしではなく、丁寧に乾かすことも忘れないようにしてください。
●頭皮と髪の毛をいたわるように洗うようことを心がける
抗がん剤治療中は、頭皮に負担をかけずに洗髪することを重視します。
そのためにはまず、入浴前にブラッシングしておくことが重要です。これによって髪の絡みや抜け毛を取り除くことができ、よりしっかりと泡立ち・洗浄ができるようになります。
次に、いきなりシャンプーをつけず、お湯だけで髪を洗い、大まかなホコリ、ゴミなどを洗い流します。その後、頭皮や髪への不要な刺激(摩擦)を避けるために、シャンプーをしっかりと泡立ててから、こすらずに洗髪しましょう。
●洗い終わった後も丁寧に乾かすようにする
不要な刺激の原因となるため、シャンプーの成分が頭皮に残らないようにしっかりとすすぎます。これで洗髪は終了ですが、お風呂場から出たら、しっかりと髪の毛を乾かすことを忘れないようにしましょう。
髪の毛が濡れたままだとキューティクルが開きっぱなしとなり、髪の毛がダメージを受け続けることになります。また、雑菌が繁殖して頭皮やかゆみ、かぶれなどにつながる恐れもあるため、しっかり乾かしてください。ただし、長時間ドライヤーの温風に髪の毛や頭皮を当てると乾燥の原因となるため、できるだけで早く乾かすことを心がけます。
なお、脱毛量が多くなっている場合は、上からドライヤーの風を当てることで抜け毛が散らばりにくくなります。
まとめ
抗がん剤治療中に脱毛の量が増えるに従って「シャンプーしたくない」という気持ちが強くなるかもしれません。しかし、頭皮を清潔に保たないと、感染症などの皮膚トラブルにつながる可能性があります。そのため、あくまでも不要な刺激は抑えつつ、しっかりと髪の毛や頭皮を洗いあげるようにしてください。