髪の一部がごっそりと落ちてしまうのが「円形脱毛症」です。
自覚症状や予兆がないだけに、見つけたときには誰もが強いショックを受けてしまいます。
しかし、現代では医学が発達し、多くの人が治療により再発毛するようになりました。
もしも円形脱毛に気づいたら、すみやかに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。
この記事では複数の脱毛箇所が発生し、お悩みの方が多い「多発性円形脱毛症」について、症状や治療法を解説します。
多発性円形脱毛症の症状とは
円形脱毛症とは、10円玉くらいの円形または楕円形の脱毛箇所(脱毛斑)が頭皮に発生する症状を言います。
最も発症例が多いのが、脱毛斑がひとつだけの「単発性円形脱毛症」です。
約8割の人が1年以内に治癒すると言われ、中には自然治癒のケースもあります。
一方、脱毛斑が複数発生する「多発性円形脱毛症」は、放置しておくと脱毛が広範囲に及んだり、融合して拡大する「多発融合」に発展したりすることがあります。
また、治療の期間も完治までに半年から 2年を費やしますので、早急に病院へ行くことが重要です。
なお、これら以外にも脱毛症には様々な種類があり、頭部全てが脱毛する「全頭型」や、側頭部から後頭部にかけて帯状に脱毛する「蛇行型」、まつ毛や眉毛を含む体毛まで抜けてしまう「汎発(ばんぱつ)型」などに分けられます。
多発性円形脱毛症になる原因
従来、円形脱毛症はストレスによるものと考えられていましたが、近年では自己免疫不全をはじめ多くの原因があることが解明されています。
脱毛の主要な原因をリストアップしましたので、参考にしてください。
・自己免疫の機能不全
免疫機能が正常に機能しなくなると、自分の体を異物と間違えて攻撃してしまうことがあります。円形脱毛症は、白血球の一部であるTリンパ球が毛髪を生み出す「毛包」を攻撃することで、成長期の毛が抜け落ちることが原因です。
・アトピー素因
円形脱毛症患者の4割以上がアトピー素因を持つと言われており、半数以上が家族にもアトピー素因があるという報告がされています。
・精神的なストレス
円形脱毛症の患者の約2割が、精神的ストレスを受けたときに症状が発生しています。
・女性ホルモン量の変化
妊娠出産時は一時的に女性ホルモン量の激しい増減があり「産後脱毛」を起こしやすい時期です。
多発性円形脱毛症の治療法
「多発性円形脱毛症」の場合は、多くの人が半年~2年の治療期間を必要とします。以下に代表的な治療方法をご紹介します。
・ステロイド局所注射
消炎、免疫抑制に効果のあるステロイド剤を脱毛箇所に注入します。高い発毛効果がありますが、非常に強い痛みを伴い、注入部位が陥没することがあります。また、局所的な発毛に限られるため、広範囲の治療には適していません。
・局所免疫療法
薬品で脱毛部位にかぶれを起こし、発毛を促す治療です。広範囲の治療や子どもの脱毛症にも適しています。有効率は60%以上で、現在最も効果の高い円形脱毛症治療と言われています。
・内服薬、外用薬
代表的な内服薬は、ステロイド内服、抗アレルギー薬、セファランチン、グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合薬などです。また、外用薬としてはステロイド、塩化カルプロニウム、ミノキシジルなどが処方されます。
・ウィッグの使用
治療には半年以上の期間を要します。治療中はウィッグで脱毛部位をカバーすることで、日常生活の支障がなくなり精神的にも安定するでしょう。近年は自然な医療用ウィッグがありますので、広範囲の脱毛にも対応できます。
まとめ
複数の脱毛斑が発生する「多発性円形脱毛症」は、適切な治療を受ければ多くの人が再発毛します。
放置して範囲が広がらないよう、一刻も早く専門医に相談してください。
治療中の脱毛部位は、医療用ウィッグでカバーすれば、日常生活にも支障ありません。
マリブウィッグでは見た目も装用感もナチュラルな、JIS規格の医療用ウィッグを豊富に取り揃えています。
ぜひ自分の髪の延長として、ヘアスタイルを楽しんでください。