髪の毛を失った子供たちに対する慈善活動が存在することをご存知ですか。
それがアメリカ発祥の「ヘアドネーション」です。
今回はヘアドネーションの意義や実施団体、ヘアドネーションを行うための条件や注意点ほか、私たちマリブウィッグが取り組む活動についてもご紹介します。
ヘアドネーションってどんな活動なの?
ヘアドネーションとは、Hair(髪の毛)のdonation(寄贈)を意味する活動です。
さまざまな原因によって髪の毛を失った子供たちに対して、寄贈された髪の毛を使用して製作された「ウィッグ」を無償提供します。
現在、さまざまな企業や著名人も、ヘアドネーションの活動に賛同・参加されています。
●ヘアドネーションが必要な理由とは?
日本で小児がんと診断される子供の人数は、年間2000~2500人(*)。治療の過程で脱毛が起きることも多いです。
また、自らの頭髪などの体毛を引き抜く「抜毛症」は、多感な10代が主な発症年齢となります。
このような後天的な理由のほか、先天的な原因による脱毛で悩む子供も多く存在します。
しかし、医療用ウィッグは基本的に高価であるため、必要とする子供たち全員に行き渡っているわけではありません。
人工毛で作られたものであれば比較的安く購入できますが、より自分の髪として違和感の少ない人毛タイプの医療用ウィッグが求められています。
このような子供たちにできるだけ多くウィッグを届け、QOL向上につなげることが、ヘアドネーションの目的となります。
*:小児がんとは:[国立がん研究センター 小児がん情報サービス]
●ヘアドネーションを行っている日本の団体
日本でヘアドネーションの活動を実施する団体には、以下のようなものがあります。
・特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity
2009年より活動されているNPO法人です。ヘアドネーションを活動に掲げた、日本初の団体となります。18歳までの子供たちを主な対象とし、医療用ウィッグを無償提供しています。
・特定非営利活動法人HERO
2011年の東日本大震災以降から活動されているNPO法人です。元々はヒーローキャラクターによる公演を実施する団体として著名でしたが、メンバーのがん発症をきっかけに、2016年よりヘアドネーションの活動もスタートしました。
・株式会社グローウィングの「つな髪プロジェクト」
医療用ウィッグメーカーである株式会社グローウィングが運営するヘアドネーション・プロジェクトです。他の団体よりも短い毛髪のヘアドネーションを受け付けている点が、大きな特徴となります。
ヘアドネーションで社会貢献しよう!
ウィッグを1つ作成するには、数十人分の髪の毛が必要です。
多くの方々がヘアドネーションに参加されることによって、より多くの子供たちへ速やかに医療用ウィッグを届けることが可能となります。
●ヘアドネーションを行う条件について
ヘアドネーションは年齢、国籍、性別、髪色などに関係なく、誰もが行うことができます。ただし、以下の2点にはご注意ください。
・原則的に「31センチ以上」の髪の毛であること
31センチは、全頭用ウィッグに使用される毛髪の長さであり、この長さをヘアドネーションの条件とする団体が多いです。ただし、前でご紹介した「つな髪プロジェクト」では15センチからの寄付を受け付けています。
・髪の毛に極端なダメージがないこと
簡単に切れるようなダメージの多い髪の毛の場合、ウィッグの材料として使用できない恐れがあります。
●ヘアドネーションを行う方法と注意点
ヘアドネーションを行うためのステップと注意点は以下の通りになります。
1.髪の毛をカットする
ヘアドネーション用の髪の毛をカットします。セルフカットでも問題ありませんが、切る長さを間違えないようにご注意ください。慣れていない方は美容室やサロンの利用がおすすめです。ただし、ヘアドネーションに対応していない美容室やサロンもあるため、事前に確認しましょう。
2. 乾いた髪の毛を発送する
髪の湿気は、雑菌の繁殖やダメージの原因となります。そのため、ヘアドネーション用のカットは、シャンプー前に行ってください。各団体へ髪の毛を発送する際も、髪の毛が充分に乾いていることを確認しましょう。
まとめ
私たちマリブウィッグも、ヘアドネーションに賛同する企業の1つです。
マリブウィッグでは独自のプロジェクト「キッズエンジェルサポート」を立ち上げ、4〜15歳までの子供たちへ、チャイルドウィッグを無償提供しています。
多くのお客様にご愛用いただいている信頼性と高い技術力を活かした社会貢献で、今後もマリブウィッグは、脱毛・抜毛に悩む方々へ寄り添って参ります。