近年、脱毛症を発症する女性が増加傾向にあると言われており、脱毛症は今や男性だけの問題ではなくなっています。
抜け毛の症状を改善するには、原因の把握から始めなければいけません。
ここでは、男性だけでなく女性にも起こりやすい脱毛症の種類を、特徴とともに解説していきます。
症状に悩まされている方はもちろん、まだ症状の兆候が見えない方も、予防対策として参考にしてみてください。
牽引性脱毛症の特徴
女性が発症しやすい脱毛症のひとつが、「牽引性脱毛症」です。牽引性脱毛症は、その名の通り髪の毛が強く引っ張られることによって、引き起こされる症状です。
そもそも、なぜ女性に発症しやすいのかと言えば、女性特有のポニーテールやお団子、編み込みなどのヘアースタイルは、髪の毛を引っ張ってスタイリングするため、頭皮に大きな負荷が掛かってしまうのです。
髪の毛が引っ張られることで血流が悪くなり、必要な栄養分が髪の毛に行き渡らなくなるので、髪の毛がきちんと育たなくなってしまうのです。
たまに髪の毛を引っ張るヘアースタイルにする程度であれば問題ありませんが、日常的に行うのは大変危険です。
また、日常的に同じ箇所で分け目を作っている場合も、気を付けなければいけません。
上記と同様の理由で、分け目の箇所が抜けやすくなってしまうため、定期的にヘアースタイルを変えるといった対処をした方が良いでしょう。
脂漏(しろう)性脱毛症の特徴
脂漏性脱毛症は、頭皮における過剰な皮脂分泌によって、抜け毛が起きる症状です。
頭皮にかゆみが生じ、フケが多く出るという特徴があります。
明確な原因は明らかになってはいないものの、最も有力なのはホルモンバランスの乱れによって、過剰に皮脂が分泌されるという説です。
ほかには、シャンプーやリンスなどが頭皮に残り、毛穴や頭皮の働きが妨げられることで、発症に繋がるという説もあります。
また、皮脂の過剰分泌は、食生活や生活習慣の乱れも影響して起こります。
塩分や脂分の過剰摂取を控え、規則正しい生活を送るといった心掛けが大切になるでしょう。
びまん性脱毛症の特徴
びまん性脱毛症もまた、女性に起こりやすい症状のひとつです。
髪のボリュームが少なくなってきた、地肌が透けて見えるようになってきた……など、目に見えて脱毛が起こるという特徴を持ちます。
これは、老化による女性ホルモンの減少が原因とされており、特に急激なホルモン減少が進む更年期の女性に多く見られます。
ただし、ストレスや食生活の乱れ、過度なヘアケアなどが要因となるケースもあるため、更年期に差し掛かっていない女性でも十分な注意が必要です。
粃糠(ひこう)性脱毛症の特徴
粃糠性脱毛症の主な原因は、フケだと言われています。フケが頭皮の毛穴をふさぎ、菌が発生して炎症を起こし、髪の毛がきちんと成長できなくなってしまうのです。
粃糠性脱毛症は、頭皮が炎症を起こし、かさぶた状の取れにくいフケが出ることもあります。
これを無理に取ろうとすれば、かえって頭皮に傷を作りダメージを増やしてしまうので、発見した際にはすぐに医師への相談を検討したほうが良いでしょう。
フケを防ぐには、シャンプーやリンスの成分を確認し、自分に合っていない製品の使用を控えることが大切です。
きちんと洗っているのにフケが出る、という方は製品の変更を視野に入れてみると良いかもしれません。
ここまで、女性に起こり得る脱毛症を紹介してきました。
現在脱毛症でお悩みの方は自身がどの脱毛症なのかを、上記の内容を参考に判断してみてください。
ただし、いずれの場合もさまざまな原因が考えられ、上記に挙げたもの以外が要因となっていることもあります。
できるだけ専門家に相談して、適切な対策をとるようにしましょう。