抗がん剤による治療などによる脱毛への対処方法として、ウィッグを使用する方法がありますが、特にフルウィッグは蒸れなどの問題から、苦手な人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで選択肢となるのがヘアバンドに前髪や後ろ髪が縫い付けられたインナーウィッグです。
頭皮を覆わないため、蒸れる心配がほとんどありません。
ここでは、製品の特徴やメリットについて紹介していきますので、ぜひ、参考にしてください。
インナーウィッグ
ヘアバンドに毛髪を縫い付けたタイプの医療用の前髪や後ろ髪の部分ウィッグです。
ヘアバンドのように頭に取り付けた後、帽子やバンダナをかぶって頭頂部などを隠して使用するのが特徴となっています。
バンドに後ろ髪が縫いつけられたタイプや前髪が縫いつけられたタイプがあり、併用することも可能です。
また、後ろ髪用のインナーウィッグに取り付けて使用できる着脱式の前髪もあり、前髪の端が後ろ髪にかかるため、もみあげ部分が自然な仕上がりになります。
さらに、後ろ髪の長さや毛髪のカラーを従来の地毛に合わせて選ぶことで、以前のイメージと変わらない見た目に近づけることが可能です。
インナーウィッグと混同しやすいものとして、インナーキャップが挙げられますが、全く別物です。
インナーキャップは、医療用ウィッグの下にかぶる薄手のキャップのことを指します。
インナーキャップをかぶる目的は2つあります。
1つ目は脱毛によって毛髪がない状態のとき、頭皮が敏感になっているため、保護する目的です。
2つ目は医療用ウィッグのネットか地肌が透けたときに、黒いインナーキャップをかぶっていれば、自然な見た目になることが挙げられます。
インナーウィッグのメリット
一般的なフルウィッグや部分ウィッグとは異なるメリットがあります
*通気性が良く快適
ウィッグを着用すると、蒸れによって臭いがしたり、雑菌が繁殖したりする問題が起こりがちです。
そこで、インナーウィッグによる取り付けで、頭頂部がウィッグやネット、インナーキャップで覆われないことから、通気性がよく開放感があって、着用中も快適なことがメリットです。
暑い夏の日や冬の暖房の効いた室内でも、蒸れることを心配せずに使用することができます。
*帽子をかぶるだけで自然に見える
ヘアバンドのように取り付けるだけなので、着脱が簡単にできます。
付けただけの状態では違和感がありますが、帽子やバンダナをかぶるだけで自然に見えます。
その日のファッションや気分に合わせて帽子やバンダナを変えるなど、おしゃれも楽しめます。
*必要な部分に毛量を足せる
抗がん剤によるがん治療では、最初の投与から10~20日から脱毛が起こり、1ヶ月半程度経過すると約9割の毛髪が抜けて、3ヶ月程度経つと残りの毛髪も抜けるのが一般的です。
一方、抗がん剤の投与が終了してから3ヶ月程度で再び毛髪が生えてきます。
ただし、毛髪が生えるのは頭皮全体で均一ではなく、前髪が生えるのは遅い傾向があります。
そこで、毛髪が再び伸びてきたタイミングでは後ろ髪用のタイプを使うなど、脱毛の状態に合わせて、必要な部分に毛髪を足せることもメリットです。
まとめ
インナーウィッグはヘアバンドに後ろ髪や前髪が縫い付けられたウィッグで、帽子やバンダナをかぶって使用します。
前髪だけ、後ろ髪だけといった形で、必要な箇所にだけ毛量を加えることも可能です。
蒸れが気になりにくく、帽子をかぶるだけで自然な見た目を実現できるといったメリットがあります。
フルウィッグは苦手という人も、選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。
※インナーウィッグは鈴珠の登録商標です。